2023年9月11日:更新
2015年5月23日:作成
ホワイトマークとは、厚生労働省から安全衛生優良企業として認定された企業を公表する制度です。
安全衛生優良企業とは、労働安全衛生法に沿って労働者の安全や健康を確保する対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善している企業を指します。
目次
1.安全衛生優良企業認定 ホワイトマークとは?
2.ホワイトマークの取得が必須となる理由
3.ホワイトマーク取得のメリット
4.ホワイトマークのデメリットは認定までのシビアなプロセス
5.まずは無料簡易診断を!
ホワイトマーク(安全衛生優良企業認定)は、労働者の安全や健康に積極的に取り組み、高い水準を維持している企業を厚生労働省が認定する制度です。ホワイトマーク認定取得企業は、「ホワイト企業」の証明として就活生、求職者に大きく認知され、採用力アップにつながります。
ホワイトマークを取得するためには、
などの項目をはじめとした約80もの基準をクリアする必要があります。
ホワイトマークを取得すると、認定マークが付与され、自社製品やホームページ、求人広告などにつけることができます。
つまり、「働きやすい職場づくりを企業全体が一体となって実現し続けている」というお墨付きを国から与えられるのです。
ホワイトマークはホワイト企業としての公的な証明である
こう言い換えても良いでしょう。
ポイント:ホワイトマークの基本情報
ホワイト企業の証明となるホワイトマークの取得は、現代のあらゆる企業にとって非常に意義のある取組みとなります。
その理由は、現在の我が国を取り巻く様々な課題が背景にあるのです。
昨今の労働市場には激動とも言える変化が起こっています。
長時間労働がもたらした事件・事故や過労死問題によって、就活生などの求職者をはじめとした多くの人が職場の労働環境に対して強い関心を示しています。「ブラック企業」という言葉は市民権を得たと言って良いでしょう。
公的にも働き方改革関連法の可決により労働時間などの規制が一層強化されるなど、企業は否応なく変革を迫られています。今後も労働環境に要求される基準は今後ますます高くなっていくと考えられます。
働き方改革と同時に企業の課題となっているのが労働市場の超売り手市場化です。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38365020Q8A131C1MM0000/
有効求人倍率は年々右肩上がりとなっており、正社員だけを対象にしても近年では1倍を上回り続けています。
労働市場の超売り手市場化は、出生数減少に伴う若年人口の減少にあります。つまり景気の変動に関係なく、長期にわたって確約された現象なのです。
企業はすでに、選ぶ立場から選ばれる立場へのシフトを余儀なくされる状況にあります。
求職者にとって魅力的な職場でなければ経営の柱である人材を確保し続けられなくなるのです。
実際に、人材不足により倒産する企業は増加の一途を辿っていることが各機関の調査により判明しています。
では、どのような企業が働きたい人に選ばれる存在となるのでしょうか。
経済産業省の調査において、就活生に「将来、どのような企業に就職したいか?」という質問をしたところ、
「福利厚生が充実している」
「従業員の健康や働き方に配慮している」
という回答が最も多く得られました。
出典:健康経営の推進について(経済産業省)
「従業員の健康や働き方に配慮した企業を重視する」
このように回答した学生は、「企業の知名度や企業規模を重視する」「給与が高い」と回答した学生数を遙かに上回っています。つまり、知名度の低い中小企業でも、働きやすい職場であることを証明できれば、十分に大手企業や有名企業と張り合うことが可能なのです。
「安心して健康に働くことができる会社である」
この点を強く訴求していくことは、労働市場を制し人材を勝ち取る上で非常に重要な要素となります。
「自社は法令を遵守しているし従業員の満足度も高い。
今後もしっかりと配慮していけば、安定して人材を確保し続けられるだろう。」
そのように自信をもって考える方々も多いかもしれません。
しかし、従業員が健やかに働ける職場であっても、そのことを外部に証明できなければ採用活動においては無意味です。
そして情報社会である現代において、就活生をはじめとした求職者の目は非常に肥えています。
「表面上ホワイトな職場であるかのように装うことはいくらでもできる」
彼らはそう学んでいるのです。
企業説明会や職場体験では優しかったけれど、実際に入社したら地獄が待っていた。そのような事例は耳にタコ、目にクマができるほど見聞きしているでしょう。
そして、ブラック企業は一度入社したら抜け出すことが難しいという事実もわきまえて企業を見定めています。しっかりと就職活動を行う優秀な学生ほど「入社して駄目だったら転職すれば良い」というような安易な考えは持っていないのです。
終身雇用が崩壊しつつあるとはいえ、就活生は一生を左右しうるファーストキャリアの選定に最大限の注意をもって臨んでいます。企業もその気持ちに応えるべく優良な職場であることを確固たる根拠をもって証明しなければなりません。
これらの点から、企業は、ホワイト企業の公的な証明となるホワイトマークを取得することで、就活生をはじめとした求職者に健全な職場であることをアピールする必要があるのです。
ポイント:ホワイトマークの取得が必要な理由
ホワイトマークを取得した企業は、さまざまなインセンティブを獲得することができます。
これにより、採用力の強化、社内外でのイメージアップ、受注の拡大などさまざまなメリットが期待できます。
ホワイトマークを取得した企業は、安全衛生優良企業の認定期間となる3年間、厚生労働省の公式ホームページに社名が掲載されます。
国が認めた優良企業であることを社外にアピールできます。
⇒厚生労働省の社名掲載リストはこちら
ホワイトマークを取得すると、管轄の労働局による授与式をはじめ、各メディアへの露出が増えます。
ホワイトマークは、数ある企業認定制度の中でもとりわけ認定基準がシビアとなり、取得した企業の評価は非常に高いです。
優良企業としてのイメージ向上に大きく繋がるものとなるでしょう。
⇒過去のメディア掲載実績はこちら
近年では、厚生労働省が主導してホワイトマーク取得企業のみが出展できる就活イベントも全国で開催されています。
当イベントは、ホワイト企業が一堂に会するということで就活生の大きな注目を集めました。
企業側にとっても、企業研究・業界研究に余念のない優秀な学生にアピールできる絶好の機会となります。
⇒イベント開催時の様子はこちら
ホワイトマーク取得の大きなメリットの1つが、認定マークを自社のさまざまな媒体に使用できることです。
これにより、取引先や顧客、求職者などに対してホワイト企業であることを自然に訴求できます。
弊機構が認定取得コンサルティングを行ったIT企業J社では、以前から使用していた既卒エンジニア募集サイトにホワイトマークを掲載した結果、それまでに比べて約5倍もの応募者を獲得。14ヶ月で従業員数を54名増やすことに成功しました。
ホワイトマークの取得過程における職場環境の改善によって、従業員の働く意欲が向上し、離職率の低下をも見込むことが可能です。
優秀でキャリアの長い人材を確保できれば、生産性をアップさせ、ひいては業績の向上にもつながります。
採用活動に費やしていた人的・経済的コストも抑えることができるでしょう。
ホワイトマークを取得することで、経営の根幹となる「ヒト」の質を連鎖的に改善することが期待できるのです。
ホワイト企業や健康経営への注目の高まりにともない、全国各地の自治体や金融機関でホワイト企業マーク取得企業に対する優遇制度が実施されています。
ホワイトマークを取得することで資金面でのアドバンテージを獲得することも可能です。
⇒全国の自治体・金融機関の優遇制度一覧はこちら
厚生労働省からの通達により、総合評価落札方式や企画競争によって公共調達を実施する場合には、ホワイトマークを取得した企業に対して加点措置が取られることになっています。
ホワイトマークを取得することで競争入札でより優位に立つことができるでしょう。
入札加点例:阪神高速道路(株)における工事の入札・契約方式
https://www.hanshin-exp.co.jp/company/files/20190401_koujikeiyaku.pdf (p46参照)
ホワイトマークの取得過程では、厚生労働省などが実施する助成金を活用することもできます。
あるホワイトマーク取得企業は、助成金で取得費用を相殺しただけでなく、最終的に50万円のプラスとなりました。
ホワイトマークは、今後もさらなるインセンティブの検討が予定されています。取得メリットはますます大きくなっていくでしょう。
取得により大きなメリットが期待できるホワイトマークですが、その難点は信頼性ゆえの認定基準の厳しさです。ホワイト企業マークの最高峰といわれるホワイトマークの認定企業数は2023年6月時点で32社ほどです。
安全衛生優良企業認定を取得するには、安全衛生の取組状況を自己診断し一定の基準を満たす場合、申請書類を作成して都道府県労働局へ提出をします。
ホワイトマーク認定取得のための項目数は約80項目にもおよび、それらの基準を満たすことはもちろん、証明となるよう適切に書類を作成しなければなりません。
認定基準となる項目の中には表現があいまいなものも多く、果たして自社が基準を満たしているのか、その判断が難しいことさえあります。
さらに厚生労働省が発行している取得マニュアルは80ぺージ近い膨大なものです。
認定を得られる適切な書類を作成するために、これを読み込むのには大変な労力を必要とするでしょう。
「ホワイトマークに興味はあるけれど自社の現状を把握できていない」
「ホワイトマークを取得できそうかどうか確認したい」
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たった10の簡単な質問に答えるだけで現状の把握が可能です。
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