2023年9月18日:更新
2019年1月2日:作成
健康経営優良法人 大規模・ホワイト500とは、健康経営において特に優良な取り組みを実践している大規模法人を顕彰する制度です。大規模法人部門の上位500社に入ると通称「ホワイト500」としての認定を受けることができます。
健康経営とは従業員の健康管理をコストではなく戦略的な経営投資として捉える考え方のことを指します。
目次
1.健康経営優良法人 大規模 ホワイト500認定とは?
2.健康経営優良法人の認定企業は5年で約10倍に増加
3.健康経営優良法人が注目される理由
4.健康経営優良法人認定で得られるメリット
5.健康経営優良法人に認定されるための5つの基準
6.認定上位500社は「ホワイト500」として認定
7.健康経営優良法人認定【審査有料化対応】 事前適合チェックサービス
8.まずは健康経営優良法人の無料簡易診断を!
2016年からはじまった健康経営優良法人の認定制度では、健康経営に取り組む優良な法人が、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから
「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」
として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目標としています。
健康経営優良法人の認定を受けるためには、
など、複数の要件からなる認定基準を満たす必要があり、認定を取得した企業には認定マークが付与され、自社製品やホームページ、求人広告などにつけることができます。
このような点から、健康経営優良法人の認定は健康経営に取り組む先進的な大規模法人として国の認定を受けた証と言い表すことができるのです。
健康経営優良法人の大規模・ホワイト500に認定されるには、経済産業省が実施する健康経営度調査に回答し、認定事務局へ申請・審査の後、日本健康会議において認定を受けます。例年通りであれば、健康経営優良法人認定の申請締め切りは10月となっています。
ポイント:健康経営優良法人の基本情報
健康経営に対する実際の企業の動きは、非常に大きなものとなっています。
健康経営優良法人に認定された大規模法人の数は、初年度となる2016年度には235法人でしたが翌年度には539法人にまで増加、そして2021年度には2,299法人が選ばれました。わずか5年で約10倍も伸びた計算になります。2022年度は2,676法人が認定されています。
大規模法人が健康経営優良法人の認定を受けるには、そのファーストステップとして経済産業省が実施している「健康経営度調査」に回答し、一定水準を満たす必要があります。この調査は回答用紙が数十ページに及ぶものであり、決して片手間で対応できるものではありません。その一方、回答企業数は年々増加しているのです。
第1回となる2014年度の回答企業数は493社でしたが、その数は1年ごとに増加し、第8回の2021年度には2,869社が健康経営度調査に回答しました。わずか7年の間に回答企業が約5倍にも伸びたことになります。
健康経営度調査の回答社数から、2021年度の健康経営優良法人認定の倍率は大規模法人部門で1.2倍、ホワイト500は5.7倍です。
健康経営に、そして健康経営優良法人に対する注目は今後ますます大きくなると考えられます。
大企業は健康経営優良法人に認定されていて当然
そのような認識が一般的となる時代が来ても決しておかしくはないでしょう。
ポイント:健康経営優良法人認定企業の推移
今日の企業は、現代の日本が持つ様々な要因によって健康経営へのシフトを余儀なく迫られています。
日本の人口は右肩下がりを続けており、特に現役世代の人口減少が顕著です。出生数が減少している以上、この傾向はどのような経済予測よりも確実なものだと言えるでしょう。人手不足・人材不足は企業にとって逃れられない問題となるのです。
労働市場の売り手市場化は既に始まっています。2010年代に入ってから有効求人倍率は右肩上がりを続け、近年では軒並み1倍を上回っている状況です。ますます働き手の争奪戦が激化していくと同時に、在籍している従業員は一層手放せない存在となるでしょう。
これからは、従業員はかけがえのない貴重な財産だという認識をより強化していく必要があるといえます。
少子化によって新卒の数は確実に減少していく一方、企業の未来を担う若手社員の確保は普遍の経営課題です。
経済産業省が2016年に就活生の対してどのような企業に入りたいか調査したところ、健康に配慮した企業かどうかを非常に重視する傾向が見られました。
超売り手市場に突入しつつある現在において、健康に配慮した経営を行っているか否かは若い人材の確保の成否を分かつ要素となっているのです。
これは、ネームバリューや企業規模、給与水準で中小企業に勝る大規模企業であっても、健康経営を打ち出さなければ就活生にとって魅力的な企業となり得ない可能性があるということ意味しています。
少子高齢社会は、従業員の高齢化にも拍車をかけています。
出典:総務省統計局「労働力調査」65歳以上労働者の平均年齢を70歳と仮定した場合の推計値
総務省の調査によると労働力人口の平均年齢は年々上昇しており、2015年には45歳を超えています。
このような従業員の高齢化で懸念されるのが健康リスクの問題です。
健康経営を話題にする際、よく出てくる言葉に「プレゼンティズム」というものがあります。これは、出勤はしているものの健康に問題があるために、仕事で十分なパフォーマンスが発揮できない状態を指す言葉です。日本語では「疾病就業」とも呼ばれます。
当然ですが個人のパフォーマンスの低下は組織全体の生産性に影響します。それが事業の中核をなすベテラン社員であれば尚更でしょう。従業員の高齢化が進めばその影響はますます大きくなっていくと予測されます。
体調の悪化や疾病の発症が明確な形で出れば、従業員が休暇を取るなどすることで健康上の問題が明確化し、対策を打ちやすくなるかもしれません。しかしプレゼンティズムの場合、従業員はとりあえず仕事をこなせている状態であるため、健康状態の悪化によって生産性が低下していることに気付きにくいのです。本人の能力的な問題と捉えられる可能性さえあります。
限られた人的資本をフルに活用できない状態は経営において大きな損失です。充実して仕事ができないことは個人のメンタルにおいても悪影響を及ぼしかねません。それがさらに生産性の低下を伴う悪循環に陥ることも十分考えられます。
したがって、従業員の健康保持・増進を促し、問題があれば速やかに発見し対応できるような仕組み作りが企業の生産性向上において重要となるのです。
ポイント:健康経営優良法人が注目される理由
健康経営優良法人やホワイト500に認定されると、採用力の強化や企業イメージの向上、生産性の向上、優遇措置を受けられるメリットがあります。
現代の就活生は企業の働きやすさや健康への配慮を非常に重視します。
したがって健康経営に関して国から認定を受けていることは強いアピールポイントとなると考えられます。たとえ、「健康経営優良法人」という言葉自体を相手が知らなかったとしても、その意味と意義の説明さえしっかりと行えば、その魅力を伝えることは十分可能です。
健康経営優良法人に認定されると、経済産業省のホームページに社名が掲載され、認定のロゴマークを広報活動に利用することができます(一部制限あり)。
これにより取引先や顧客に対して容易かつ信頼性をもって健康経営を実践していることがPRでき、良好な関係の構築に一役買うことができるでしょう。
健康経営優良法人として認定を受けるには社内で健康の保持・増進に対する取組みを実践する必要があります。
そのプロセスで従業員の健康状態の維持・改善が実現できれば、一人一人の生産性向上につながり、ひいては業績の向上も期待できると考えられます。また、全社的に健康に対する取組みを行うことで社内の一体感の構築にも役立てることができます。
ご紹介した3つのメリットのほかにも、自治体や金融機関によっては、
などといった動きが見られています。今後、健康経営優良法人に認定されるメリットは大きくなっていくとみられます。
ポイント:健康経営優良法人に認定されるメリット
健康経営優良法人の認定を受けるためには、経営理念(経営者の自覚)、組織体制、制度・施策実行、評価・改善、法令遵守・リスクマネジメントの5つの認定基準について一定の水準を満たす必要があります。
なお健康経営優良法人の有効期間は1年間となっており、毎年健康経営の取組を実践しなければなりません。
1.経営理念・方針(経営者の自覚)
アニュアルレポートや統合報告書などによる健康宣言の社内外への発信が求められます。
2.組織体制
健康づくりの責任者を役員以上のポジションが担当し、健保などの保険者と連携して取り組むことが求められます。
3.制度・施策実行
生活習慣病の予防対策やメンタルへルス対策など、17の項目のうち一定基準を満たすことが求められます。具体的な内容としては、
・定期健診受診率100%
・受診勧奨の取り組み
・50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
などがあります。
4.評価・改善
健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施する必要があります。
5.法令遵守・リスクマネジメント
法令違反や労働災害など安全衛生上の状況について問われます。具体的な内容としては、
・定期健診を実施していること
・保険者による特定健康診査・特定保健指導が実施されていること
・従業員の健康管理に関する法令について重大な違反をしていないこと
などが求められます。
※「健康経営度調査回答企業の上位50%に入る」という条件は2019年度認定を最後に廃止されました。
ホワイト500を取得するには、健康経営優良法人に認定された大規模法人の中で、健康経営度調査の上位500社に入る必要があり、通称「ホワイト500」としての認定を受けることができます。健康経営のリーディングカンパニーとして、さらに大きな注目を集めることになるでしょう。
なお大規模法人部門の従業員数は、卸売業やサービス業は101人以上、製造業・その他の業種は301人以上などの基準が定められています。
健康経営優良法人と似たものに健康経営銘柄がありますが、違いとしては、健康経営銘柄は東京証券取引所の上場企業のうち健康経営に優れた企業を認定する制度で、ホワイト500は大規模法人部門の上位500社を認定する制度です。
健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が実施している企業の認定制度で、投資家にとって魅力的な企業であると紹介することを通じて健康経営の取組が社会的に促進されることを図っています。1業種につき1企業が基本として選出されるのが特徴です。
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