ホワイト企業化を応援!-SHEM ホワイトHEADLINES 2022年11月
読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。
Contents
1.【日本商工会議所の最新情報】「産後パパ育休の創設」等への中小企業の対応状況は?
2.【国会・内閣の最新情報】第210回臨時国会召集 総理が所信表明演説 重点分野に「構造的な賃上げ」も
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」
日本商工会議所から「女性、外国人材の活躍に関する調査」の集計結果が公表されました。
この調査は、全国の中小企業を対象として、令和4年7月19日~8月10日の間に実施されたものです(回答があった2,880社の結果を集計)。
さまざまな調査が行われていますが、女性の活躍推進について、次の調査結果が注目されています。
●令和4年4月より段階的に施行している「改正育児・介護休業法」のうち、同年10月施行の「産後パパ育休の創設」等への対応状況について、「既に対応は完了している(社内規定の整備、従業員への周知・啓発等)」もしくは「対応の目途がついている」と回答した企業の割合は49.1%にとどまる。
●規模の小さい企業では「対応できていない」「内容も把握していない」と回答する割合が多い。
☆令和4年10月は労働・社会保険制度の大きな変革期といえるかもしれません。企業実務に影響を及ぼす重要な改正(制度変更)が数多くスタートしました。「改正育児・介護休業法」もその一つですが、この改正について、未だ社内規程の整備に遅れがある企業は、ちょうど対応の分かれ目の今こそ、改訂を急ぎましょう。
引用元:日本商工会議所「女性、外国人材の活躍に関する調査」より抜粋
https://www.jcci.or.jp/women_foreigner_research.pdf
令和4年10月3日、第210回臨時国会が召集され、岸田総理は、衆参両院本会議で所信表明演説を行いました。
演説では、「日本経済の再生」を最優先の課題とし、新しい資本主義の旗印の下で、「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」の三つを重点分野として取り組んでいくと述べました。
企業経営にも関わりが深そうな「構造的な賃上げ」について、ポイントをみておきましょう。
●官民が連携して、現下の物価上昇に見合う賃上げの実現に取り組む。公的価格においても、制度に応じて、民間給与の伸びを踏まえた改善等を図るとともに、見える化を行いながら、看護、介護、保育をはじめ、現場で働く方々の処遇改善や業務の効率化、負担軽減を進める。
●リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を、来年6月までに取りまとめる。特に、個人のリスキリングに対する公的支援については、人への投資策を「5年間で1兆円」のパッケージに拡充する。あわせて、同一労働同一賃金について、その遵守を一層徹底する。
●新しい働き方に対応するため、個人が、フリーランスとして、安定的に働ける環境を作るべく、法整備にも取り組む。
●中小企業における賃上げに向け、生産性向上とともに、公正取引委員会等の執行体制を強化し、価格転嫁を強力に進める。
☆「労働移動円滑化に向けた指針(来年6月までに取りまとめ)」や「人への投資策(5年間で1兆円のパッケージに拡充)」が注目を集めています。具体的な内容がどのようなものになるのか?動向に注目です。
毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。
今回は次のような質問です。
Q 午前中はテレワーク、午後から出社予定の従業員が、出社する途中にケガをしたとき、これは通勤災害と考えることになるのでしょうか。
前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。
2022年10月の回答(前号分)
A 職業安定法の改正で、令和4年10月から、求人等に関する情報の的確な表示が義務付けられました。改正前の努力義務の規定が格上げされ、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないとしています。
一方、募集・求人業務取扱要領(令4・6・10厚労省告示198号)では、期間の定めのない労働契約の前に期間の定めのある労働契約を締結しようとする場合は、当該契約が試用期間の性質を有するものであっても、試用期間に係る従事すべき業務の内容「等」を明示するよう求めています。
したがって、そのような場合には正社員としての適性を測る試用期間である旨、十分に説明する必要があるものと考えられます。