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人事労務の注目トピックス5月号

企業成長を加速させる人への投資と省力化投資

コロナ禍からの回復、そしてさらなる成長を目指す中小企業にとって、人手不足や省力化は大きな課題です。

経済産業省・中小企業庁が5月に公表をした「2024年度版 中小企業白書」にもとづいて、企業成長を加速していくための人への投資と省力化投資による2つの投資戦略について、概要をご紹介します。

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中小企業の動向

中小企業が多く抱えている課題として、コロナ渦による落ち込みから事業が回復してきている反面、人手不足が深刻化していることが挙げられます。就業者数の増加を見込むことが難しい中で、企業が競争力を維持するためには、環境整備・賃上げ・省力化投資・海外需要・価格転嫁・事業承継・経営改善を通じて、中小企業の生産性を向上させていくことが期待されています。

こちらでは、人手確保のための取組と省力化投資について厳選し、下記に概要をご紹介します。

人手確保のための取組

人手確保のための取組として、人材を十分に確保できている企業を例にすると、賃金の引き上げ・定年延長やシニアの再雇用・福利厚生の充実・公正な人事評価・働き方の多様化やワークライフバランスの推進といった、働きやすい職場環境や制度の整備が進んでいる傾向があります。その他にも仕事内容の魅力度の向上、業務プロセスの効率化、機械化や自動化の実施も上位に挙げられます。

省力化投資

人手に関する課題は、上述のように人材にまつわる事項がまず挙げられますが、省力化に向けた設備投資も有効です。しかし事業規模が小さい企業ほど省力化投資が進んでいないケースが多く、逆の捉え方をすると省力化の取組余地が大きいといえます。また、省力化投資は売上高増加の効果も期待できます。

中小企業の成長投資

日本の約9割の中小企業は成長投資への意欲を示しており、これは経済活性化や外需獲得に貢献し、持続的な利益を生み出す企業成長を促すと期待されています。投資意欲的な企業は、日本経済全体の生産性向上にもプラスの効果をもたらすでしょう。

一方で、現状では投資意欲に乏しい中小企業も存在しますが、変化する外部環境に対応するためには、小さな取組でも行動していく姿勢が大切です。

企業成長には、人材育成、設備投資、M&A、研究開発など様々な投資行動が有効です。成長戦略として、経営資源を確保し市場環境に適応しながら、自社にとって最適な投資戦略を検討することが求められています。

人への投資と省力化投資の取組事例

ある加工メーカーでは、高度な技術力を持つ「現代の名工」を輩出しており、従業員の技術力向上と自主性を育むために、めっき道場やe-ラーニングなどの独自の取り組みを行っています。一方、精密機械メーカーでは「家庭が一番」という理念のもと、従業員が自分を大切にできる職場環境づくりに取り組んでいます。従業員数は10年間で約3倍に増加し、新卒定着率も高水準を達成しました。両社とも人への投資を重視することで、従業員の成長を会社の成長にもつなげています。

ある部品メーカーでは、人手不足解消のため製造現場と販売管理の両面で積極的な設備投資を実施しています。製造現場では自動検査装置導入による品質向上と生産性向上、販売管理ではEDIを活用したシステム導入による業務効率化と従業員の負担軽減を実現しました。これらの取り組みを通して、賃上げ・柔軟な勤務形態、働きやすい環境づくりを進め、安定的な事業運営を実現しています。

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