人事労務の注目トピックス4月号
近年、急速に変化する事業環境において、企業が直面する課題も複雑化しています。
そのような中、日本能率協会が実施した「当面する企業経営課題に関する調査(2023年度)」によると、現在・3年後・5年後において、『人材強化(採用・育成・多様化への対応)』が最も重要な経営課題として挙げられています。
現在:1. 人材強化 2. 収益性向上 3. 売上・シェア拡大
3年後:1. 人材強化 2. 収益性向上 3. 事業地盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築
5年後:1. 人材強化 2. 事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築 3. CSR・CSV、事業を通じた社会課題の解決
人材強化が最重要な経営課題となる背景としては、労働人口の減少をはじめ、コロナ渦における企業活動の停滞、IT・デジタル技術革新によるスキルの変化など、人材を取り巻く環境が大きく変化していることが背景にあると考えられます。
またそれを受けて、現在の経営課題において『働きがい・従業員満足度・エンゲージメントの向上』が、前年より増加している点も注目されます。これは「人材」に対する重要度が高まっていることの表れと見ることができます。
企業にとって「人材強化」は単なる課題ではなく、持続的な企業成長を支える重要な要素となっています。人材の獲得から育成、定着に注力をすることが、今後の競争力強化の鍵となるでしょう。