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ホワイト企業化を応援!-SHEM ホワイトHEADLINES 2023年5月

読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。

Contents
1.【経産省の最新情報】「副業・兼業支援補助金」事業がスタート
2.【こども家庭庁の最新情報】こども家庭庁が発足 ホームページを開設 異次元の少子化対策のたたき台などを公表
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」

 

「副業・兼業支援補助金」事業がスタート

 経済産業省では、企業等による副業・兼業の人材の送り出し・受け入れを支援するため、「副業・兼業支援補助金」の事業を開始しました。
 この補助金は、企業等が副業・兼業に人材を送り出すため、または副業・兼業の人材を受け入れるために要する費用について、その経費の一部を助成し、費用負担を軽減することで、副業・兼業を促進し、もって企業間・産業間の労働移動の円滑化を図ることを目的とするものです。次の2つの類型を設けており、類型ごとに補助事業の要件などが定められています。

副業・兼業支援補助金ポータルサイト

※引用元:経済産業省 副業・兼業支援補助金ポータルサイト
 https://www.fukugyo-kengyo-hojo.jp/

☆場合によっては就業規則・雇用契約書などの内容の整備が必要になると思われます。

 

こども家庭庁が発足 ホームページを開設 異次元の少子化対策のたたき台などを公表

 令和5年(2023年)4月1日、子ども関連政策の司令塔となる「こども家庭庁」が発足しました。
 また、いわゆる異次元の少子化対策のたたき台である「こども・子育て政策の強化について(試案)」が公表されました。そのポイントを確認しておきましょう。

 

―――――― 「こども・子育て政策の強化について(試案)」のポイント ――――――

□試案では、今後3年間を集中取組期間として、「こども・子育て支援加速化プラン」に取り組むこととしています。このプランには、次のような内容が含まれています。

 ・児童手当の拡充(所得制限撤廃、高校生まで支給、多子世帯への給付額アップ)
 ・男女で育休取得した場合、一定期間、育休給付を手取り100%に
 ・周囲の社員への応援手当など男性育休を支える体制整備を行う中小企業への支援の大幅強化
 ・こどもが2歳未満の期間に、時短勤務を選択した場合の給付の創設
 ・自営業、フリーランスの方々の育児期間の保険料免除制度の創設 など

☆試案では、裏付けとなる財源について具体的な内容は示されておらず、どのように財源を確保していくのかに注目が集まっています。現時点では増税は避け、公的医療保険の月額保険料に上乗せする案などが出ているようです。

 

タメになる、「SHEM人事労務クイズ~今月号の問題~」

 毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。

 今回は次のような質問です。

 当社のベテラン営業職のAが交通事故に遭い、大けがをして長期間休業したため、大きな営業上の損害が生じてしまいました。加害者にこの損害の賠償を請求できないでしょうか。また、当社はAの休業中も、Aに対し従前と同額の給与を支払ったのですが、これについても損害の賠償を請求できないでしょうか。

 

タメになる、「SHEM人事労務クイズ~前号(2023年4月号)の解説~」

 前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。

2023年4月の回答(前号分)

 副業・兼業でも、雇用に基づく場合は、労働基準法第38条1項などにより、本業と労働時間が通算されることになります。
 原則的な労働時間管理の方法を採用している場合、労働時間の通算は、労働契約の先後の影響を受けます。労働契約の先後の順に所定労働時間を通算し、次に所定外労働時間を発生順にカウントする仕組みです。つまり、労働者と先に契約した事業主をA、後をBとすると、Aの所定労働時間、Bの所定労働時間と先に枠を設定しておき、枠をはみ出た所定外労働は、実際の労働の時間的な順番にかかわらず、A・Bの所定労働に引き続く労働と扱うイメージです。また、所定労働時間を通算した時点で法定外労働となる部分は、当初から割増賃金の支払いが必要になります。

 有期労働契約などで更新があったとき、労働契約の先後はどうなるでしょうか。有期労働契約が反復更新されている場合など、更新が実態として従来の労働契約の継続に該当するときについては、更新で自動的に通算の順序が変更されるわけではなく、引き続き、労働契約が時間的に先に締結された労働契約として、従来と同じ順(最初に労働契約を締結した順)に、労働時間を通算するとしています(令4・7・13改定「副業・兼業ガイドラインQ&A」)。また、有期雇用契約では5年経つと無期転換ルールが適用されますが、無期転換した際も、順番の先後は変わらないとしています。なお、労働時間通算の順番は、先契約者、後契約者、労働者の3者で合意が形成されれば入替え可能とはされています。

 通算と割増賃金の関係ですが、例えばAの所定労働時間を8時間、Bを2時間とすると、Aの所定だけで法定労働時間の上限に達しているため、Bにおける労働はすべて法定外労働となり、Bは割増賃金を支払うことになります。次に、Aの所定を3時間、Bも3時間の場合で、実際の労働はまずAで5時間、同日内に引き続きBで4時間というケースを考えると、A・Bの所定だけでは通算しても6時間と、所定だけでは法定外労働となる部分は発生しません。ここにAの所定外2時間を通算しても法定労働時間内ですが、Bの所定外1時間は法定労働時間の上限を超過してしまうため、Bはこの1時間の割増賃金の支払いが必要になります。逆に、実際の労働がBで4時間、引き続きAで5時間というときは、A・Bの所定労働6時間、Bの所定外1時間、Aの所定外2時間と通算していき、Aの所定外のう1時間が法定外労働となって、Aに割増賃金の支払いが求められます。

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