ホワイト企業化を応援!-SHEM ホワイトHEADLINES 2023年2月
読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。
Contents
1.【厚労省の最新情報】「男女の賃金の差異」の公表等における解釈事項 改訂版を公表
2.【国会・内閣の最新情報】2年間でアナログ規制を一掃へ
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」
令和4年(2022年)7月8日施行の女性活躍推進法施行規則の改正により、情報公表項目に「男女の賃金の差異」が追加されるとともに、常時雇用する労働者が301人以上の事業主については当該項目の公表が必須とされました。
厚生労働省からは、Q&A方式で詳細を説明する「女性活躍推進法に基づく「男女の賃金の差異」の公表等における解釈事項について」が公表されていましたが、これが令和4年(2022年)12月28日付で改訂されました。この度重要な問答が追加されましたので、ご紹介します。
問31 非正規雇用労働者(パートタイム労働者)のみならず、正規雇用労働者のうち短時間勤務をしている者(短時間正社員、育児短時間勤務者等)についても、人員数について、換算を行って良いか。
答)
◯差し支えない。
◯なお、正規雇用労働者のうち、短時間勤務者の人員数について、フルタイム労働者の所定労働時間等の労働時間を基に換算してもよいが、
・そもそも、短時間勤務者の基本給がフルタイム労働者の基本給を減額したものとなっているかどうか
・減額しているとして、どのような考え方・割合で減額されているか
については、個々の企業において決められていることである。個々の企業において、換算をするか否か、また、適切な換算率の設定等を行っていただきたい。
◯また、当該換算を行った場合には、労働時間を基に換算している旨を重要事項として注記する必要があることに留意すること。
☆この問答は追加の一例です。「男女の賃金の差異」の公表等で分からないことがあれば、次のリンク先をご参照ください。
※参考:「女性活躍推進法に基づく「男女の賃金の差異」の公表等における解釈事項について」
令和4年(2022年)12月下旬、首相官邸において「第6回デジタル臨時行政調査会」が開催され、「デジタル原則を踏まえた工程表の確定とデジタル規制改革推進のための一括法案等について」が決定されました。
議長である岸田総理は、この日の議論を踏まえ、「今後、この工程表に沿って、令和6年(2024年)6月までの2年間で、アナログ規制を一掃する。そのため、次期通常国会において、一括法案を提出するべく、準備を進めていく」と述べました。
どのような改革が図られようとしているのか? アナログ規制の見直しの効果について、労働行政に着目してポイントを確認しておきましょう。
◯労働安全衛生法令に基づく作業主任者の常駐:令和5年(2023年)3月までに見直し
…事業者によって選任された作業主任者が現場の指揮等を行う際に作業場に常駐しなければならないが、作業主任者の職務を技術により代替できる場合には、技術で常駐規制を代替することも可能とする。
◯ハローワークにおける失業認定のオンライン化:令和5年(2023年)4月から
…失業認定に当たっては、原則4週間に1回の頻度でハローワークへの出頭が求められているが、離島に在住するなど、ハローワークに出向くことが大きな負担となっている方に対して、現行の市町村取次においてオンラインを活用した取組を実施するとともに、その効果検証を行い、今後の対応の方向性について、できるだけ速やかに結論を得る。
☆そのほか、明治以来、紙で発行されてきた官報を電子化する方針も決定されました。アナログ規制の見直し・デジタル規制改革がどこまで進むのか?今後の動向に注目です。
毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。
今回は次のような質問です。
Q 衛生管理者が退職するにあたり、代わりになるような社員が見当たらないとき、会社としてどのように対応すべきでしょうか。しばらく未選任のままとなったとしても、やむを得ないでしょうか。
前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。
2023年1月の回答(前号分)
A 職業安定法第5条の5は、求職者等の個人情報を収集・保管・使用する場合について定めていますが、個人情報の開示義務については定めておらず、同条は情報開示・説明義務の法的根拠とはなり得ないとした事案(東京地判令4・5・12)もあります。
次に、個人情報保護法第33条は、情報の開示についての条文です。業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合については、全部または一部を開示しないことができるとしています。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、例として、試験実施機関において、採点情報のすべてを開示することにより、試験制度の維持に著しい支障を及ぼすおそれがある場合を挙げています。
前掲判決では、「選考過程における自由な議論を委縮させ、採用の自由を損な」うなどとして、開示しないことができるとしています。