読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。
Contents
1.【厚労省の最新情報】育休中等の社会保険料免除の要件見直しに関するQ&Aを公表
2.【法改正】令和5年(2023年)4月から、中小企業でも月60時間超の時間外労働の割増賃金率を引き上げ
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」
育休中等の社会保険料免除の要件見直しに関するQ&Aを公表
育児・介護休業法の改正に伴い、令和4年(2022年)10月から、育休中等の社会保険料免除の要件が見直されます。このたび、厚生労働省から本改正にまつわるQ&Aが公表されました。
【改正の概要】
- ① 出生時育児休業制度について、育児休業等の取得促進の観点から、保険料免除の対象とする。
- ② 月途中に短期間の育児休業等を取得した場合に保険料が免除されないことへの対応として、育児休業等開始日の属する月については、その月の末日が育児休業等期間中である場合に加えて、その月中に14日以上の育児休業等を取得した場合にも標準報酬月額に係る保険料を免除する。
なお、その際には、同月内に取得した育児休業等及び出生時育児休業による休業等は合算して育児休業等期間の算定に含める。 - ③ 賞与保険料が免除されることを要因として、賞与月に育児休業等の取得が多いといった偏りが生じている可能性があることへの対応として、育児休業等が短期間であるほど、賞与保険料の免除を目的として育児休業等取得月を選択する誘因が働きやすいため、連続して1か月超の育児休業等の取得者に限り、賞与保険料の免除対象とする。
【Q&Aより一部抜粋】
問 育児休業等日数の算定にあたり、休日は含めるのか。
答 育児休業等日数は、ある育児休業等の開始日から終了予定日までの日数(当該育児休業等が出生時育児休業である場合、開始日から終了予定日までの日数から就業日数を除いた日数)をいい、その間に土日等の休日、有給休暇など労務に服さない日が含まれていても、育児休業等日数の算定に当たり差し引くことはしない(育児休業等日数に含まれる)。
上記はほんの一例です。この改正は、社会保険に加入しているすべての企業において、対応が必要となるものです。詳しく内容を確認したいときは、次のリンク先をご参照ください。
参考:厚生労働省「育児休業等中の保険料の免除要件の見直しに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T220413S0010.pdf
令和5年(2023年)4月から、中小企業でも月60時間超の時間外労働の割増賃金率を引き上げ
令和5年(2023年)4月1日から、いよいよ中小企業においても、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます。
これについて、厚労省からリーフレットが公表されていますので、確認しておきましょう。
引用元:厚生労働省「中小企業の事業主の皆様へ 令和5年4月から割増賃金率が引き上げられます」より
https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf
この適用開始に伴い、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の定めが50%を下回る場合、就業規則や賃金規程、労働条件通知書や雇用契約者の改定・修正が必要になりますので、対象となる中小企業におかれましては、早めに準備しておきましょう。
なお、月60時間を超える時間外労働を行った労働者の健康を確保するため、引き上げ分の割増賃金の支払の代わりに有給の休暇(一般に「代替休暇」といいます)を付与することができる制度も適用されることになります(いずれか任意に選択適用する。割増賃金率の改定に代えて代替休暇の制度を新たに導入する場合は、その定めを就業規則等に盛り込む必要がある)。
タメになる、「SHEM人事労務クイズ~今月号の問題~」
毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。
今回は次のような質問です。
Q 工場の本社建屋が老朽化したこともあって、本社の事務機能を新しいビルに移転することになりました。まだ築浅のオフィスビルなので、産業医の先生との職場巡視は特に「見どころ」がないような気がしますが、どんな意味があるのでしょうか?
タメになる、「SHEM人事労務クイズ~前号(2022年5月号)の解説~」
前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。
2022年5月の回答(前号分)
A 職業安定法第5条の4は、求職者等の個人情報の取扱いに関して、求職者等の個人情報をその業務の目的の達成に必要な範囲内で収集し、保管し、または使用しなければならないとしています。
また、職業紹介事業者等は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、または本人の同意の下で本人以外の者から収集する等、適法かつ公正な手段によらなければならないとしています(平11・11・17労働省告示141号)。
さらに厚労省の「募集・求人業務取扱要領」(令3・4)は、本人が不特定多数に公表している情報から収集する場合は、上記告示の「等」に含み、適法かつ公正な手段としています。
ただし、この場合でも原則として収集してはならない情報があることには注意が必要です。上記告示では、
- ①人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
- ②思想および信条
- ③労働組合への加入状況
を挙げています。例外的に収集できる場合としては、特別な職務上の必要性があることその他、業務の目的に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合としています。SNSの調査にはこうした情報に触れるリスクがあることには留意しておく必要があるでしょう。