SHEM 非営利一般社団法人 安全衛生優良企業マーク推進機構

ホワイト企業化を応援!-SHEM ホワイトHEADLINES 2023年8月

読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。

Contents
1.【助成金情報】令和4年度(2022年度)の精神障害の労災認定件数が過去最高に 原因のトップはパワハラ
2.【法改正情報】障害者雇用促進法等の改正 令和6年(2024年)4月1日施行分のポイント
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」

令和4年度(2022年度)の精神障害の労災認定件数が過去最高に 原因のトップはパワハラ

厚生労働省から、令和4年度(2022年度)「過労死等の労災補償状況」が公表されました。ここではそのポイントを確認しておきましょう。

□脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
・請求件数は803件で、前年度比50件の増加(うち死亡件数は前年度比45件増の218件)
・支給決定件数は194件で前年度比22件の増加(うち死亡件数は前年度比3件減の54件)
□精神障害に関する事案の労災補償状況
・請求件数は2,683件で前年度比337件の増加(うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の183件)
・支給決定件数は710件で前年度比81件の増加(うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件減の67件)
・出来事別の傾向
支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」147件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」89件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」78件の順に多い

☆報道では、精神障害に関する事案の支給決定(労災認定)の件数が増加していること(4年連続で過去最高を更新)や、その原因のトップがパワハラであることなどが話題になりました。“パワハラで社員が精神障害となり労災認定”という最悪の事態に陥らないためにも、研修を実施するなどして日頃からパワハラ防止に取り組みましょう。

障害者雇用促進法等の改正 令和6年(2024年)4月1日施行分のポイント

障害者雇用促進法と関連政省令が、令和6年(2024年)4月1日を施行日として改正されることが決まっています。
企業実務に影響を及ぼす改正が含まれていますので、確認しておきましょう。

□障害者雇用率の引き上げ
次のように引き上げられます(一般の民間企業に適用される率・人数のみ紹介)

区 分改正前改正後
~令和6年(2024年)3月令和6年(2024年)4月~令和8年(2026年)6月令和8年(2026年)7月~
 障害者雇用率2.3%2.5%2.7%
障害者を雇用しなければならない事業主の範囲(常時雇用労働者数が右の人数以上の事業主)43.5人40人37.5人

*当該事業主については、次の①及び②の義務・努力義務が生じます。
① 毎年6月1日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告(義務)
② 障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」の選任(努力義務)
□週所定労働時間10時間以上20時間未満で働く重度の身体・知的障害者、精神障害者の算定特例
障害特性により長時間の勤務が困難な障害者の方の雇用機会の拡大を図る観点から、特に短い時間(週所定労働時間が10時間以上20時間未満)で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者の方を雇用した場合、特例的な取扱いとして、実雇用率上、1人をもって0.5人と算定することとされます。
㊟週10時間以上20時間未満で働く障害者を雇用する事業主に対して支給している特例給付金は、令和6年(2024年)4月1日をもって廃止となります。
□その他
「障害者雇用調整金・報奨金の支給方法の見直し」、「障害者雇用納付金に係る助成金の新設・拡充等」などが行われます。

☆たとえば、障害者の雇用義務が1人以上とされる事業主(令和6年(2024年)4月~令和8年(2026年)6月の間は、常時雇用労働者数40人以上80人未満の事業主)が、週所定労働時間10時間の精神障害者を2人雇用することとした場合、障害者雇用率を満たすことになります(0.5人×2=1人以上)。

タメになる、「SHEM人事労務クイズ~今月号の問題~」

毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。

今回は次のような質問です。

 トラブルが続いていて、休日労働を視野に入れざるを得ない状況です。休日労働を命じたところ、ある従業員から当該日について年次有給休暇の申請がありました。休日労働命令により労働日になったということで、取得を認める必要はあるのでしょうか。

タメになる、「SHEM人事労務クイズ~前号(2023年7月号)の解説~」

前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。

2023年7月の回答(前号分)

 一度自社を離職した従業員を再び雇い入れる制度は、「リターン雇用」「カムバック採用」など、さまざまな名称が用いられて一定の企業に導入されています。ご質問のとおり、設計自体は自社の裁量とはなりますが、次の点で留意が必要です。
離職理由には配偶者の転勤や育児・介護などやむを得ないものもあれば、より良い労働条件を求めるなど比較的積極的なものもあるでしょう。前者に関連して、育児介護休業法(以下「法」)では「再雇用特別措置」の規定が参考になります(法27条)。
妊娠や出産、育児・介護を理由に退職した者で、退職の際、その就業が可能となったときに再び雇用されることを希望する旨の申出をしていた者について、事業主は、労働者の募集採用に当たって特別の配慮をする措置を実施するよう努めなければならないとしています。

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