読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。
Contents
1.【法改正情報】令和6年(2024年)4月より、障害者雇用率の引き上げが決定
2.【厚労省の最新情報】雇用関係助成金ポータルがオープン 電子申請できる助成金の対象が拡大
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」
令和6年(2024年)4月より、障害者雇用率の引き上げが決定
障害者雇用促進法に関する政省令が改正され、障害者雇用率の引き上げ等や支援策の強化が実施されることが決まりました。ポイントを確認しておきましょう。
その1 障害者雇用率(障害者の法定雇用率)が段階的に引き上げられます。〔令和6年(2024年)4月から段階的に施行〕
https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
その2 除外率が引き下げられます。〔令和7年(2025年)4月施行〕
その3 障害者雇用における障害者の算定方法が変更となります。
・精神障害者の算定特例の延長〔令和5年(2023年)4月施行〕
・一部の週所定労働時間20時間未満の方の雇用率への算定〔令和6年(2024年)5月施行〕
その4 障害者雇用のための事業主支援の強化(助成金の新設・拡充)を行います。
*雇入れやその雇用継続に関する相談支援、加齢に伴う課題に対応する助成金の新設を予定
〔令和6年(2024年)4月施行〕
☆非常に重要な改正です。特に、新たに「障害者を雇用しなければならない対象事業主」となる可能性がある場合(常時使用する労働者数が40人前後である場合)には、無視することができない改正です。
雇用関係助成金ポータルがオープン 電子申請できる助成金の対象が拡大
厚生労働省より「雇用関係助成金ポータル」がオープンするとのお知らせがありました。
これにより、電子申請できる雇用関係助成金の対象が、令和5年(2023年)4月から2段階で拡大されます。同省がその周知のために作成したリーフレットの一部を紹介します。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001061086.pdf
㊟電子申請には「GビズID」の申請・取得が必要です。(事業主が社会保険労務士や弁護士等の代理人に電子申請を依頼する場合も「GビズID」の申請・取得が必要です。)
〈補足〉紙での申請や、既に実施されている他の電子申請(雇用調整助成金・産業雇用安定助成金の電子申請、特定求職者雇用開発助成金の電子申請)も引き続き利用できます。
タメになる、「SHEM人事労務クイズ~今月号の問題~」
毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。
今回は次のような質問です。
Q 兼業をしている有期労働契約の従業員がいます。現在、労働契約の締結は、時間的に当社が先です。更新した場合、先後は入れ替わり労働時間管理に影響するのでしょうか?
タメになる、「SHEM人事労務クイズ~前号(2023年3月号)の解説~」
前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。
2023年3月の回答(前号分)
A 新型コロナウイルス感染症(以後「コロナ」)には、いわゆる後遺症が比較的高率に発生することが知られています。日本では、入院時の酸素吸入がなかった(比較的軽症の)罹患者の3割以上(6カ月後で37.7%)に後遺症が生じたとする報告があります。
症状の代表的なものとしては倦怠感、咳などの呼吸器症状、記憶障害、集中力低下、味覚障害などがあります。個人差があり、なかには厳しい症状に悩まされる方もいますが、一般的には時間の経過とともに有訴率が低下していくことが知られています。
ワクチンを接種していても罹患する、いわゆるブレークスルー感染でも後遺症が生じることがありますが、未接種者に比べて発症率は半分であり、また後遺症発症後にワクチンを接種しても57.9%に症状改善が認められたという報告もあり、ワクチン接種が推奨されているところです。
コロナやインフルエンザは休業の際に診断書提出が推奨されず、治癒後の復職の際も、他者への感染性を有する期間の終了と症状の軽快があれば診断書なく職場復帰できるとされていますが、後遺症による欠勤が続く場合は、通常の私傷病欠勤と同様に診断書の提出を求めるのが適切でしょう。復職の可否や復職後の就業上の措置についても、本人意向だけでなく主治医に意見を求めるのも、通常の私傷病休職と同等に考えてよいでしょう。なお、コロナの罹患について業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、後遺症は原則労災保険給付の対象になります。
後遺症を見てもらう主治医は、かかりつけ医が推奨されていますが、コロナ後遺症に対応する医療機関は最近増えてきており、自治体のホームページで確認できます。従業員にはこうした医療機関を受診するよう指導するとよいでしょう。
後遺症があるなかで就業する従業員に対してですが、偏見や差別を経験することもあり、また一方で本人の「思い込み」の要素もある場合があります。産業保健スタッフとも連携しながら、メンタル面のフォローも重要です。また、脳梗塞や心筋梗塞など心血管疾患のリスクが高まるという報告があり、時間外労働時間の管理、医師による面接指導などの長時間労働対策を的確に実施する必要があります。