読めばホワイト企業度アップ!毎月注目の人事労務関連記事【法改正】【SHEM人事労務クイズ】【厚労省の最新情報】など、各種取り揃えてお届けします。
Contents
1.【厚労省の最新情報】ついに公表「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」長時間労働是正・メンタルヘルスケアの要となるか?
2.【厚労省の最新情報】令和4年(2022年)4月以降のキャリアアップ助成金 予定されている改正内容を公表
3.【SHEM人事労務クイズ】タメになる、「SHEM人事労務クイズ」
ついに公表「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」長時間労働是正・メンタルヘルスケアの要となるか?
令和4年(2022年)2月下旬、厚生労働省および関係省庁より、顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆる“カスタマーハラスメント”―通称「カスハラ」)防止対策の一環として「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」ほか、マニュアルの概要版であるリーフレットや周知・啓発ポスターを作成し、これらを公表しました。以下に本マニュアルの一部をご紹介します。
■「カスハラ」の定義とは?
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
引用元:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf
■「カスハラ」を想定した事前の準備として必要なこと
カスタマーハラスメントを想定した事前の準備
- ・組織のトップが、カスタマーハラスメント対策への取組の基本方針 基本姿勢を明確に示す。
- ・カスタマーハラスメントから、組織として従業員を守るという基本方針·基本姿勢、従業員の対応の在り方を従業員に周知·啓発し、教育する。
②従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
- ・カスタマーハラスメントを受けた従業員が相談できるよう相談対応者を決めておく、または相談窓口を設置し、従業員に広く周知する。
- ・相談対応者が相談の内容や状況に応じ適切に対応できるようにする。
③対応方法、手順の策定
- ・カスタマーハラスメント行為への対応体制、方法等をあらかじめ決めておく。
④社内対応ルールの従業員等への教育 研修
- ・顧客等からの迷惑行為、悪質なクレームヘの社内における具体的な対応について、従業員を教育する。
引用元:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策リーフレット」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000899376.pdf
従業員が「カスハラ」を受けると、場合によっては金銭、時間、精神的な苦痛など、多大なる損失を被ることが想定されます。あらかじめ十分な対策を講じておき、損失を最小限にとどめたいところです。
令和4年(2022年)4月以降のキャリアアップ助成金 予定されている改正内容を公表
雇用保険料財源の助成金の中でもポピュラーなのが「キャリアアップ助成金」です。これは、非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善等の取組を実施した事業主を助成するもので、これまで中小企業を中心として、多くの企業内キャリアアップを推し進めてきました。
この助成金について、令和4年(2022年)4月1日から改正が順次予定されております。変更点の概要を確認しておきましょう。
■正社員化コース
・有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の助成を廃止
・「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者に限る、という要件を追加(令和4年(2022年)10月1日以降の正社員転換に適用)
・「賃金の額または計算方法が正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を6か月以上受けて雇用していること、を要件に追加
■賃金規定等共通化コース
・対象労働者(2人目以降)に係る加算を廃止
■賞与・退職金制度導入コース(旧「諸手当制度等共通化」コース)
・諸手当等(賞与、退職金、家族手当、住宅手当、健康診断制度)の制度共通化への助成を廃止し、賞与または退職金の制度新設への助成へと見直し
・対象労働者(2人目以降)に係る加算を廃止
■短時間労働者労働時間延長コース
・社会保険の適用拡大を更に進めるため、次の措置を実施
延長すべき週所定労働時間の要件を緩和(週5時間以上 → 週3時間以上)
助成額の増額措置等を延長(令和4年(2022年)9月末 → 令和6年(2024年)9月末予定)
※選択的適用拡大導入時処遇改善コースは、時限到来に伴い令和4年(2022年)9月30日に廃止
これまでこれら助成金を継続受給してきた、または今後受給を予定していた、といった事情からご不安な点がございましたら、お問い合わせください。
タメになる、「SHEM人事労務クイズ~今月号の問題~」
毎号「法律は知っているけど、実務ではどう対処すればいい?」「論点が細かいと調べても答えがわからない」「自己流で対応したけど不安…」といったお困りに「ちょっとタメになる」解決のヒントを提供する、人事労務クイズのコーナー。
今回は次のような問題です。
Q 遅刻・欠勤・早退といった勤怠不良を繰り返す社員への懲戒対応を検討しています。減給処分のほか、年次有給休暇付与の条件である“出勤率8割以上”の計算において、遅刻3回で1日分欠勤として処理することは可能でしょうか?
答えは次号にて解説します。ぜひお楽しみに!
タメになる、「SHEM人事労務クイズ~前号(2022年3月号)の解説~」
前号Qの気になる解説はこちらです(ぜひバックナンバーをご覧ください)。
2022年3月の回答(前号分)
A 衛生管理者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によって自らその業務を行うことができない場合、事業者は、代理となる者を選任する必要があります(労働安全衛生規則第3条、同則第7条第2項)。衛生管理者の資格保有者がいない場合、保健衛生の業務に従事している者または従事した経験を有する者を選任することとしています。所轄の労働基準監督署長への報告義務はありません(上記通達)。ただし、長期の休みは想定していません(昭23・1・16基発83号、昭33・2・13基発90号)ので、その場合は別の衛生管理者を選任する必要があります。