SHEM 非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構では、国の認定マーク取得・維持コンサルティングおよびサポートを行っています。

「くるみんマーク認定」 ~子育てサポート企業の証~

2023年8月24日:更新
2017年5月29日:作成

現在、育児に優しい企業への注目が集まっています。
子育てサポート企業の認定を通して、従業員の満足度と生産性の向上を目指してみませんか?

 

目次
1.くるみんマーク認定とは?
2.くるみんマーク認定企業は年間200社以上増加
3.くるみん設立の経緯
4.くるみんマーク認定で得られるメリット
5.くるみんマーク認定を受けるための8の基準
6.まずはくるみんマーク認定の無料簡易診断を!

くるみんマーク認定とは?

くるみんマーク認定(以下、くるみん)は、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組んでいる企業を認定する制度で、2007年から認定制度が始まりました。「次世代育成支援対策推進法」という法律に基づいて厚生労働省が実施しており、子育てサポート企業の証としてくるみんマーク認定を受けることができます。

くるみんの認定を受けるためには、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に定める一般事業主行動計画を策定・公表・周知し、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ届出をして、必要書類とともに申請をします。

  • 一定水準以上の育児休業取得
  • 育児に伴う時短勤務制度の設置

など、8の要件からなる「くるみんマーク認定基準」を満たす必要があり、認定企業にはくるみんマークが付与され、自社製品やホームページ、求人広告などにつけることができます。

このような点から、くるみんは子育てサポート企業として国の認定を受けた証と言い表すことができるのです。

ポイント:くるみんの基本情報

  • くるみんは子育てサポート企業を証明する厚生労働省のお墨付きである
  • 認定を受けるためには8の認定基準を満たす必要がある
  • 認定マークは、商品やホームページ、求人広告などにつけることができる

ちなみに「くるみん」という名前には、

会社“ぐるみ”で取り組む子育て支援によって、子どもが優しく“くるまれている”

という意味が込められています。

 

くるみんマーク認定企業は年間200社以上増加

子育てサポート企業として認定を受け、くるみんを取得する会社は年々増加しています。

2007年度に428社だったくるみんマーク認定企業数は、年ごとに200~300社のペースで増加し続け、2021年には3月の時点で3,500社を超えるまでに至っています。くるみんマークや企業の子育て支援に対する注目が高まっていることが伺えます。

ポイント:くるみんマーク認定企業の推移

  • くるみんマーク認定企業数は年200~300社のペースで増加している
  • 企業の子育て支援に対する注目は高まりを見せている

 

くるみん設立の経緯

 

厚生労働省がくるみんという認定制度まで立ち上げて企業の子育て支援を強化している背景には、長年にわたって続く少子化に大きな理由があります。

少子化による人口減少

 

ご存知のとおり、日本における出生数は減少傾向にあり、30年以上にわたって合計特殊出生率が2を上回った記録がありません。人口の減少は国力の低下に直結する大きな問題です。

出生数減少と働き方の関係

出生数の減少の背景には、未婚化や晩婚化だけでなく、子どもを産まない夫婦が増えていることも原因として挙げられます。彼らが子どもを持たない理由の1つとして、子どもを生むことで特に女性が仕事を離れなければならない状況となっていることに原因があります。一方で仕事を離れれば世帯収入が減り子どもを育てることが難しくなる。このジレンマにあるからこそ子どもを持つことに抵抗を覚える夫婦が増えているというわけです。
また現役世代が減少していく現代において、女性が子育てに伴い退職することは貴重な働き手を失うことになります。1億総活躍時代を掲げている行政府としてもこのような傾向は好ましくないと言えるでしょう。

法律により子育て支援は企業の義務に

このような問題を受けて、2003年に成立・施行されたのが「次世代育成支援対策推進法」、通称・次世代法です。この法律では、常時雇用している従業員の数が100人を超える企業は、従業員の子育て支援について計画を策定し、厚生労働大臣に届出、公表、従業員への周知が義務となりました。企業にとって子育て支援は義務となったのです。
ただし現状としては義務を怠っても罰則がありませんので、実質的な強制力は無いも同然です。そこで、子育てサポートに関する計画を策定し、実際に高い水準を満たした企業に対して国のお墨付きを与えることで、産業界における子育て支援を促進させようとしているのが、くるみんが生まれた背景なのです。ちなみに従業員が100人以下の企業でもくるみんマークの取得は可能です。

働き手も子育て支援を求めている

現に現在の労働市場は結婚後の働き方を考慮してくれる企業を求めています。求人サイトを運営する株式会社i-plugは、2019年卒業の大学生551人を対象に「働き方で気にするポイント」についてアンケート調査を行いました。結果は以下のとおりです。

参照:http://offerbox.jp/company/wp-content/uploads/2018/02/2019recruiting_report_workstyleOfferBoxver1.1.pdf

長時間労働やサービス残業の有無、有給の取りやすさなど定番の項目に次いで、結婚後も働きやすいかどうかが3位に入っており、実に半数近くの就活生が気にしていることがわかります。家庭生活という意味では、労働時間や有休に関する関心も結婚生活を見越したものが入っていると考えても不自然ではありません。つまり貴重な若い働き手も子育てしやすい職場に就職することを強く望んでいると考えられるのです。超売り手市場の現在、彼らの価値観に沿った職場づくりは企業存続における重要な課題となるでしょう。

現代の企業は、国と働き手、その両方から子育てに配慮した職場づくりを求められているのです。

ポイント:くるみん設立の経緯

  • くるみん設立の大きな理由は長年にわたる出生率の減少
  • 法律の制定によって企業は子育て支援に関する行動計画を作成する義務がある
  • 若い働き手も子育てに配慮された職場を重視する

 

くるみん取得で得られるメリット

冒頭でご紹介したように、認定企業はくるみんマークを名刺や会社案内、求人広告、自社製品などに使用することができます。また認定に向けた取り組みを通して、従業員の子育てに対して柔軟に対応できる組織を作り上げるに至るでしょう。これらの効果によって、企業は3つの大きなメリットを見込むことができます。くるみんマーク認定を取得することで、優秀な人材の確保・採用につながる、企業イメージの向上につながる、生産性が向上するメリットがあります。いずれも企業経営において重要な要素です。

優秀な人材の確保・採用につながる

子育てを支援する体制ができることで、出産や育児による離職者が減少し、社内でキャリアを伸ばすことで経験豊富な人材となります。また、多くの学生や求職者にとって仕事と子育ての両立は就職先を選ぶ際の非常に重要な基準となります。したがって、くるみんの取得は多くの人材に対して強力なアピールとなります。

企業イメージ向上につながる

少子化やワークライフバランスが大きな話題となる現代、子育て支援は企業の社会的責任という観点でも非常に注目されています。くるみんの取得は、取引先、顧客、地域社会からのイメージアップをもたらすでしょう。

生産性が向上する

従業員が育児で休業したり時短勤務になったりしても対応できるよう業務の見える化や効率化したことによって企業の生産性が向上します。また、厚生労働省の調査では、育休を取得することで、

  • 会社のへの帰属意識が高まった
  • 会社に仕事で応えたい

という風に考えようになる従業員もいるという結果が出ています。子育てサポートのシステムを構築することで仕事へのモチベーションアップにつながる可能性もあるのです。

他にも、公共調達での加点評価など、くるみんを取得することで様々な優遇措置を受けることができます。

ポイント:くるみんに認定されるメリット

  • 優秀な人材の確保・採用につながる
  • 企業イメージの向上につながる
  • 生産性が向上する
  • 公共調達で優遇措置を受けられる

 

くるみんマーク認定を受けるための8の基準

くるみんマーク認定を受けるためには、育休取得率の基準(男性10%以上、女性75%以上)や、労働時間数の基準(正規労働者の各月平均時間外・休日労働時間が45時間未満であること、月平均の時間外労働60時間以上の労働者がいないこと)など、以下8項目の認定基準を全て満たす必要があります。

 くるみんマーク認定基準
1.次世代法に定める一般事業主行動計画を策定・公表・周知・届出・実行
※ただし、認定基準に関する数値の公表が求められる。

2.男性の育児休業(以下「育休」)取得率≧10%または男性の育休取得者+企業独自の育児目的休暇取得者割合≧20%

3.女性の育休取得率≧75%

4.3歳から小学校就学前の子の「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じていること

5.正規労働者の各月平均時間外・休日労働時間<45時間であること

6.月平均の時間外労働60時間以上の労働者がいないこと

7.「所定外労働の削減のための措置」「年次有給休暇の取得の促進のための措置」「短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置」のいずれかについて、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること※達成は問わない

8.次世代育成支援対策推進法・令・規則、その他労働関係法令に違反する重大な事実がないこと

なお育休取得率は下記のように計算をします。
計画期間内に育児休業等を取得した者の数÷計画期間内に出産した者の数(小数第1位以下切り捨て)

2022年度にくるみんマークとプラチナくるみんマークの認定基準が改正され、実質厳格化しました。
例えば男性の育休等の取得に関する内容について、育児休業等取得率が7%以上から10%以上に改正されています。

またその一方で従来の基準を維持した認定マークも残存するという、複雑かつより他社との差がつく制度へと生まれ変わりました。これまで認定を受け続けてきた企業も、今後はあらためて育児と仕事の両立支援を充実させていく必要があります。

トライくるみん認定とは?

トライくるみんマーク認定は、2022年度からくるみん・プラチナくるみんマークの認定基準の厳格化に伴って新たに設けられた制度です。認定基準の違いがあり、トライくるみんは従来のくるみん認定と同等の認定基準です。
同認定を受けていると、くるみん認定を受けていない場合でもプラチナくるみん認定の申請をすることができます。

くるみんプラス認定とは?

くるみんプラス認定は、くるみん認定にプラスして仕事と不妊治療の両立支援にも積極的に取り組んでいる企業を認定する制度で、トライくるみんと同じく2022年度から始まりました。
プラス認定とは、くるみん・プラチナくるみん・トライくるみんにプラスマークを追加した認定マークのことです。
プラス認定を受けるには、
 ・くるみんのそれぞれの種類に応じた認定基準を満たしていること
 ・不妊治療のための休暇制度や不妊治療と仕事の両立支援に関する理解を促進するための取組、社内周知、担当者を選任すること
などの認定基準を満たす必要があります。

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